2014年7月3日木曜日

2014.7.2 "超"ポジティブ国家、タイ

7/2〜6に行われるASEANキャンプがはじまりました。このキャンプではASEANとタイの現状および学生の海外留学やグローバル化について講義を聞きます。

7/2は1つ目の講義がありました。内容はASEANに参加することによるメリットを2時間超。内容はお世辞にもためになるとは言えず、話者(有名私立大の教員らしい)が自分がいかにしてグローバル化して成功したか、学生が海外留学すべき理由、タイ人だけが面白い歌に、女性遍歴。
私は講義中に外に出て、ある女性スタッフに感想を聞かれたときに、

あまりにもつまらない
重要なポイントがわからない
唯一わかるのは彼が歌と金と女が好きだということだけ
焦点をしぼるべき
批判的思考力がゼロ
そもそもこれは大学の講義にふさわしい講義ではない

ということを伝えました。

すると夜の食事会の際、ある先生が女性スタッフからその感想を聞き、なぜそんなことを言ったのかと聞いてきたのです。
私は(その女性スタッフがまったく講義に集中せず自身の写真を生徒に見せるなどしていたこともあり、同意もあるだろうと)彼女にこの講義があまりにも学問的ではないと言いました。
しかし、生徒がそのようなことを言うべきではないと先生は言うのです。

タイは"超"がつくほどのポジティブ国家だというのがこの1週間をタイの大学で過ごした感想の1つです。

このプログラムのルールに、"宗教の違いを理解しよう"などと同じ項目として

Think posititely
SMILE

というルールがあります。

ときにこれらのルールはすばらしい環境を生み、海外から集まる学生にとって打ち解けることを容易にします。
このルールは、抽象的ではありますが、あまりにタイという国らしい。

しかし私は、Think posititelyはNOT think criticallyと同義語であるとは思いません。
学生に対する口封じや伝統は果たしてすべて維持されるべきでしょうか(この日はまた、現地の学生ボランティアが年配の人より早く食事を取って注意されるという場面があったそうです。彼らはボランティアにもかかわらず仕事をたくさん抱え、それをこなすために早く食事を取ったにすぎません)。

これから経済的にさらに発展していくであろうタイにとって、今もう一度ASEANとはどのような存在なのか、見直すような授業がこれからあるのでしょうか。
学生に求めるように、大学もまたThink posititelyを求められているのではないでしょうか。

自由な国に存在する生き辛さを感じた1日でした。

3 件のコメント:

  1. たまたま覗いたらに面白そうだったのでコメントを。文脈は違うかと思いますが、日本の「住民参加によるまちづくり」イベントを思い出しました。グループワークの前に、「相手を批判しない」「自分の言うことに責任を持たない(=自由な発想を大事にする)」というルールがあることを確認します。そこに参加する人たちの多くは、この気持ちの悪さを感じつつも、そのまま時間が流れていきます。そこでまとめられたものが「住民参加」による成果…となります。この違和感とはちょっと違いますか?また覗きに来ます。

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  2. Akita_kzさん、院生の書き込みへの反応をどうもありがとうです。かれらがタイで感じたのは、たしかに「住民参加のまちづくり」と似ているでしょうね。なかなか面白い話題の接続をありがとうございます。

    うちの学生諸君よ、必要なのはThink critically, Act smileyですよ。親しみをもった語り口の中から、自己意見をソフトに差し出すことから会話を深めていけるのが、本当の意味での国際人ですね。

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    1. Ishiokaさん、絡まっていた糸が解れました(笑)。返信ありがとうございます。
      院生の方々、これからもここでのご報告や議論を楽しみにしています。突然、失礼しました。

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